
ラリマーは、カリブ海のドミニカ共和国でのみ産出する青色ペクトライトの商標名で、海の色を閉じ込めたような独特の水色から濃い青、白い筋雲模様が織りなす景観美で世界中のコレクターとジュエリー愛好家を魅了してきた希少石です。
1974年に地元のミゲル・メンデスが娘の名「ラリッサ」の「ラリ」とスペイン語で海を意味する「マール(Mar)」を組み合わせて「ラリマー」と命名したエピソードは有名で、カリブの海を想起させる名称と色調が相まって、産地限定のストーリー性を持つ宝石として確固たる地位を築いています。
鉱物学的には珪酸塩鉱物ペクトライトに分類され、結晶系は三斜晶系、硬度はモース硬度で約4.5〜5、比重はおおむね2.7台で、透明度は半透明から不透明が一般的です。
ラリマー特有の青色は結晶格子内の微量元素や結晶欠陥に起因すると考えられ、色の濃淡と白色部とのコントラストが「空と雲」や「海と波」を思わせる表情を生みます。
地色のバリエーションは幅広く、アイスブルーからスカイブルー、ティール寄りの青緑、さらには非常に希少な濃紺に近いブルーまで見られ、白い網目状や渦巻き状のパターン、時に褐色や黒の斑点・筋(母岩や酸化鉄由来)がアクセントとして現れることがあります。
産出はドミニカ共和国バラオナ州の山地(シエラ・デ・バオルコ周辺)に限られ、坑道掘りを中心とした小規模採掘が主体であるため供給量は気候や地盤状況に左右され、品質の安定確保が難しいことが希少性と価格形成に影響しています。
ジュエリー用途としては原石をカボションやビーズ、インタリオ・レリーフ彫刻に加工するのが一般的で、絵画的な模様が広く見える大判カボションや、濃いブルーが均一に乗ったビーズ連は特に高評価を受けます。
ラリマーは多孔質で比較的柔らかく、衝撃や擦り傷、熱、化学薬品に弱い性質を持つため取り扱いには注意が必要です。
超音波洗浄やスチーム洗浄、酸・アルカリ性の強い薬剤、塩素系漂白剤、長時間の日光直射は避け、ぬるま湯に中性洗剤を少量溶かしたものでやさしく手洗いし、柔らかい布で水分をよく拭き取ってから完全に乾かすのが理想的なお手入れ方法です。
保管は他の硬い宝石や金属と接触しないよう個別のポーチや布で包み、温湿度変化の少ない場所を選ぶと良いでしょう。
ラリマーブレスレットは透明剤による含浸処理が施されることがあり、これは微細な隙間を埋めることで光沢や強度を高め、表面の美しさと耐久性をより安定させる目的で行われます。
この処理により、石本来の色味や模様がいっそう際立ち、艶やかでなめらかな質感を長く楽しむことができるのが特徴です。
ラリマーに似た天然石も多いので、必要に応じて第三者機関の鑑別結果(天然ペクトライトであること、染色や着色の有無などの所見)で裏付けると、購入者にとって安心材料となります。
「ラリマー」の鑑別書 記載例 「ラリマー」は名称であり、鉱物名・宝石名共にペクトライトとなります。
_____________ 鉱物名:天然ペクトライト 宝石名:ブルー・ペクトライト 透明剤の含浸処理が行われています 摘要欄:別名「ラリマー」と呼ばれています _____________ ラリマーは単なる「青い石」ではなく、カリブの海が息づく小さな地球の記憶です。
海風のように穏やかで、見る人の心を静かに包み込みます。
光にかざせば、波の音が聞こえてくるような優しさを宿し、身につけるたびに心の奥に穏やかな青が広がっていきます。
忙しい日々の中でも、この石がそっと寄り添い、あなたの心に静かな安らぎをもたらしてくれることを願っています。
本品には宝石鑑別書は付属しませんのでご注意下さい。
別料金にて承りますのでお気軽にご相談下さいませ。
【お写真に写っている商品を発送致します】 産地 ドミニカ共和国 粒径 約8.9mm9.1mm 重量 約22g 腕周り 約160mm 天然石の本物・偽物を見極める「鑑別書」 True Stone 天然石の真実