
天然マラカイト(孔雀石)を素材に、観音菩薩を中心として龍・従者・護法神を精緻に彫り上げた、荘厳かつ幻想的な彫刻作品です。
マラカイトは銅の炭酸塩鉱物(Cu₂CO₃(OH)₂)であり、深く鮮やかな緑と独特の縞模様が織りなすその姿は、まさに大地が生み出した聖なる芸術。
古来より「災厄を祓い、持ち主を護る石」として崇められ、古代エジプトでは粉末にして化粧料や護符として、ヨーロッパでは悪霊除けとして貴族に愛用されてきた歴史を持ちます。
マラカイトは邪気を払い、心身の再生と癒しをもたらす石と伝えられており、慈悲と調和を象徴する観音像との組み合わせは、まさに霊性の共鳴といえるでしょう。
本作に使用されているのは、コンゴ民主共和国・カタンガ州ルブンバシ産の上質な天然マラカイトです。
カタンガ産のマラカイトは発色が濃く、層状の縞が明瞭に浮かび上がることで知られます。
硬度が比較的高く、丹念に研磨することでガラスのような艶を放ち、美術彫刻や装飾工芸の素材としても極めて評価の高い石です。
その模様は一つとして同じものがなく、自然が描いた唯一無二の紋様が、この作品の荘厳さをさらに際立たせています。
マラカイトは非常に繊細な鉱物で、水分・酸・塩分に弱い性質を持ちます。
長時間の水濡れや高湿度により、表面が白化したり艶が失われる場合がありますので、水洗いや湿布による清掃は避け、柔らかい乾布で軽く埃を払う程度のお手入れをおすすめします。
直射日光や高温多湿を避けて保管いただくことで、天然石本来の美しさを長くお楽しみいただけます。
なお、本作品はすべて手作業により丹念に研磨・彫刻された一点物であり、彫りの奥深い部分にはごくわずかに研磨剤が残っている場合がございます。
あらかじめご了承くださいませ。
中央には静かに座す観音菩薩が、慈悲と癒しの象徴として穏やかな微笑をたたえています。
その左右には観音を囲むように従者が寄り添い、神聖な空気をより一層際立たせています。
左側には扇(または団扇)を手にした女性像が配され、天女または侍女の姿を表していると考えられます。
扇は「清涼」「祈願」「浄化」を象徴し、観音のもとへ清らかな風と祈りを捧げる存在。
観音を支えるように刻まれたその姿は、柔和で優雅な気配を漂わせます。
右側には器を掲げた人物が立ち、供物や香炉、水瓶を捧げる姿を表していると見られます。
観音に仕える「善財童子」や「龍女」の姿を思わせ、信仰と献身の象徴として全体の構図を引き締めています。
背面には、天へと力強く昇る「昇り龍」が彫り込まれています。
龍は仏教において水と雲を司る守護神であり、観音菩薩と深く結びつく存在です。
観音の背後を昇る龍は「天の守護」「繁栄」「運気上昇」を象徴し、全体に壮麗な生命力を与えています。
さらに下部には、龍とともに勇ましい武人が彫られています。
この人物は「護法神」または「龍神の従者」を表すものと考えられ、地上の守護力を象徴しています。
武人は力を、龍は天を、観音は慈悲を、それぞれ司り、全体として「天・地・人の調和」を描く構図となっています。
マラカイトの縞模様は衣の流れや雲の動きを映すように現れ、自然の造形と信仰美が見事に融合しています。
深緑の艶と滑らかな質感が観音の姿を神秘的に際立たせ、見る角度によって異なる光の表情を見せる様は、まるで生命が宿っているかのよう。
観音菩薩・龍・従者・護法神が一体となって織りなすこの作品は、慈悲と力、癒しと守護を併せ持つ「祈りの彫刻」と言えるでしょう。
空間に置くだけで清らかな気が満ち、見る者の心を静かに鎮める――そんな存在感を放つ一点です。
守護・繁栄・癒しを象徴する天然マラカイトの彫刻として、末永く心に寄り添う逸品です。
本品は、天然マラカイト(コンゴ産)を用い、観音菩薩・龍・従者・護法神を一体で彫り上げた荘厳な作品です。
同等クラスの作品は現地市場でもほとんど見られず、再入荷予定はございません。
【お写真に写っている商品を発送致します】 付属品 ミニ畳み 産地 コンゴ民主共和国 カタンガ州 ルブンバシ 縦 約135mm 横 約125mm 厚さ 約70mm 重量 約1,186g
※天然石を研磨し加工しているため、クラック、欠け、傷等がございます。
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